花山ママクリニックでは、最新の診断機器を導入し、4D超音波診断を行っています。
従来の3D超音波診断に比べて、お腹の中ににいる赤ちゃんが動いている様子などを、リアルタイムに見られるようになりました。
ただし、3D超音波診断と同様に、羊水の量や週数、胎盤や赤ちゃんの位置などによって、きれいに画像化できないこともあります。
分娩について
出産は自然分娩を基本としています
- 原則的に出産は自然分娩を待ちますが、医学的な必要性により誘発分娩、陣痛促進、吸引分娩、帝王切開など医療が介入することがあります。
- 全分娩に対して約10%の方が帝王切開となりますが、そのうち半数以上の方が前回の出産が帝王切開であった方です。
- 骨盤位、前回分娩が帝王切開であった方の出産方法については、帝王切開が選択される事が多くなってきました。
妊娠中の注意
妊娠中の検査について
実施時期 |
内容・検査項目 |
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妊娠の判定診断 |
妊娠しているかどうかの判定は、超音波・尿検査などで実施します。 |
定期妊婦検診 |
毎回、体重測定・尿検査・血圧測定を行います。診察前の測定をお願いします。
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妊娠初期検査(8週~11週) |
これらの検査は、お母さん自身の健康を守るためのほか、母児感染(お母さんから赤ちゃんへの感染)を防ぐことが目的です。
妊娠された方全員に子宮癌検診を施行します。妊娠は癌検診を受ける絶好のチャンスです。 |
24週頃 |
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約30週頃 |
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34週 |
胎動は、おなかの赤ちゃんの元気信号です。 |
妊娠後期検査(36週) |
妊娠後期検査では、上記の検査を行います。 |
NST(適時) |
胎児心音と子宮収縮を記録し、赤ちゃんの元気度と、お母さんのお腹の張りを見る検査です。 |
4D超音波診断
花山ママクリニックでは、最新の4D超音波診断を導入。
おなかの中ににいる赤ちゃんを、リアルタイムに確認できます。
- 当院で妊婦検診をされている方に限ります。
- 赤ちゃんの位置などにより見えない事もあります。
貧血について
母体の健康だけでなく、産後の回復や授乳にも影響する貧血。
栄養のある食生活で、健やかな生活を送りましょう。
貧血になると、頭が痛い・重い、めまいがする、息切れがするといった症状があらわれることがあります。また、お産後の回復が遅くなる、母乳が出づらくなるなどの原因にもなります。
- 貧血の対策
-
- 食事
- 休養と適度な運動
- 鉄剤の服用(※医師の指示のもとに)
- 貧血にならないよう心がけること
-
- 毎日毎回の食事全体のバランスを良くすることが大切です。
- 大豆・肉類など、たんぱく質を充分にとるようにしましょう。
- レバーやほうれんそうなど、鉄分を多く含んだ食事を積極的にとりましょう。
- 葉酸、ビタミンB6・B12・C、銅を豊富に含む野菜も必要です。
- 規則正しい生活を心がけ、胃腸の機能を活発にしましょう。
- 加工食品やインスタント食品は、鉄やカルシウムの吸収を妨げるので、ひかえましよう。
食品栄養素
鉄を多く含む食品 | 肉類 | 豚肉もも・豚レバー・牛もも・牛肝臓 |
---|---|---|
卵 | 卵黄 |
|
豆類 | えんどう(グリーンピース)・いんげん豆・大豆(豆乳・みそ・きなこ・豆腐・あげ・納豆) |
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緑黄色野菜 | 小松菜・春菊・しそ・パセリ・ほうれん草・からしな・ニラ |
|
くだもの | 干し柿・ブラム・レーズン・ぶどう |
|
堅果類 | くるみ・ごま・くり |
|
海藻類 | ひじき・わかめ・こんぶ・のり |
|
魚介類 | うなぎ・かつお・さば・しじみ・うに・かき |
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葉酸 | ほうれん草・ピーナッツ・アーモンド・麦・レバー・アスパラガス・牛乳 |
ビタミンB6 | レバー・獣肉・黒砂糖・豆乳・牛乳 |
---|---|
ビタミンB12 | レバー・卵・牛乳・納豆・海藻 |
ビタミンC | ピーマン・青菜類・カリフラワー・イチゴ・さやえんどう・柑橘類・もやし |
銅 | ごま・大豆・牡蠣・干しきくらげ |
早産について
妊娠しているかなり早い段階で、赤ちゃんが生まれてしまうことがあります。
早産のリスクを下げるため、しっかりと母体の健康・体調管理を。
妊娠24~36週に赤ちゃんが生まれてしまうことを早産といいます。もし、早産が起こってしまったら、赤ちゃんは未熟で生まれてきます。近年の産科医療の進歩により、早産の赤ちゃんでも、かなり高率に命をとりとめ、無事に育つようになりましたが、やはり体重が少なければ少ないほど、また妊娠週数が早ければ早いほど、難しさは増しますし、後遺症が出る確率も高くなります。早産は、妊婦さんの無理や不注意が引き金で起こることもあるので、充分に注意したいものです。
- 早産しないための生活上の注意
-
- 妊娠高血圧症候群にはならないように、塩分控えめの食事を心掛ける。
- 過労や睡眠不足にならないよう、充分な休養と睡眠をとる。昼寝と早寝を日課にしましょう。
- おなかをぶつけたり、おなかを圧迫するような姿勢は避ける。
- おなかが張ったら座ったり、横になるなどして、すみやかに休む。
- 重いものは持たないようにする。重いものを持つと、下腹部に力が入るので、お腹が張る原因にもなります。
- お買い物などでも気を付けて。
- 乳頭の手入れは通常妊娠20週から行いますが、お腹がよく張る早産傾向の人は妊娠10ヶ月に入ってからにしましょう。
- 妊婦検診は必ず受けましょう。また、激しい咳や下痢は早産の引き金になります。もしも、このような症状があればすぐに医師に相談しましょう。
- もしもの場合
-
周期的なおなかの張り、出血、破水が早産の徴候です。多少のおなかの張りはふつうにあるものですが、早産のときは、張りがしだいに強くなり、痛みとして感じるようになります。出血量はそれほど多くありません。もしこのような症状があれば、すぐ病院に連絡してください。
特に、破水の場合は、緊急を要します。
また、早期なら早産をくい止めることもできますので、おかしいと感じたら、すぐ病院へ。
体重コントロールについて
妊娠したら、体重が増えてあたりまえ?
いえいえ。太りすぎてしまうと、出産・妊娠にこんなリスクが・・・・・・
妊娠したら体重が増えるのは当然。でも、増えすぎはいけません。妊娠高血圧腎症を招いたり、脂肪が子宮や産道の回りについて、難産になることもあります。
妊娠による体重増加は、赤ちゃん、胎盤や羊水、大きくなった子宮や乳房を合わせても、せいぜい7kgぐらいです。妊娠前の体重によって違ってきますが、標準体重の人なら、出産・授乳・育児に備えてのたくわえを合わせても、10~13kg以内の増加におさえましょう。
【体重増加は、1週間500g以内が限度です。】
オーバーしないように、毎日、お風呂あがりなどに体重をチェックしましょう。
- 太りすぎないために...
-
- 糖分と脂肪は、熱と力のもとになる大切なエネルギー源です。ただし、とりすぎると肥満の原因になります。
- 1日に必要なエネルギー量は、約2,000キロカロリーです。
- 妊娠中のダイエットは良くありません。主食・主菜(蛋白質)・副菜(緑黄色野菜など)をバランス良く摂取しましょう。
- 甘いものは控え、脂肪は、植物性のサラダ油、ごま油など良質のものをとるようにして、体重をコントロールしましょう。
- お菓子、果物の食べすぎには、くれぐれも用心を。
- 椎茸などのきのこ類、こんにゃく、寒天、わかめなどの海草類は、ノーカロリーで栄養価の高いものです。おおいに利用しましょう。
- 外食は、意外とカロリーが高いものです。できるだけ手作りにしましょう。
塩分制限について
食品別の塩分含有量
妊娠中に塩分をとりすぎるとむくみや高血圧になりやすく、妊娠高血圧腎症をおこす危険があります。そのため、健診で高血圧ぎみの人や、尿中にたんぱくがでている人、軽いむくみのある人には、医師から”塩分制限”の指示がでます。このような人は、「1日10g」を目安に減塩食に心がけましょう。
塩分10gは食塩小さじ2杯か、醤油大さじ3杯半と同量です。
- 塩分をひかえておいしく食べる工夫
-
- 煮物に味が染み込まないよう、味付けは調理の最後に。
- お菓子・果物の食べすぎには、くれぐれも用心を。
- こげ味を付けると、焼き魚なども更においしく。
- レモンやゆず・すだち・かぼすなど、柑橘系の酸味を生かして。
- みつば・しそなどの香味野菜を使って、味に変化を。
- 調味料を直接かけず、小皿等につけて上手に食べる。
- 加工食品は塩分が多いのでできるだけ避ける。
- 汁物は具沢山にして、素材の味でおいしく。
- 外食料の平均塩分料
-
- うどん 4.5g
- ラーメン 6.0g
- カレーライス 4.0g
食品別の塩分含有量
食品名 | 食品量 | 塩分量 |
---|---|---|
食塩 | 小さじ1杯(5g) | 5.0g |
しょうゆ | 大さじ1杯(18g) | 2.7g |
ウスターソース | 大さじ1杯(16g) | 1.4g |
トマトケチャップ | 大さじ1杯(18g) | 0.7g |
マヨネーズ | 大さじ1杯(14g) | 0.3g |
みそ(普通) | 大さじ1杯(18g) | 2.0g |
白みそ | 大さじ1杯(18g) | 1.1g |
塩ざけ(辛口) | 1切れ(60g) | 4.9g |
たらこ | 1腹(80g) | 3.7g |
しらす | 1皿(30g) | 3.0g |
梅干し | 小1個(10g) | 2.1g |
たくあん | 2切れ(20g) | 1.4g |
野菜のぬか漬け | 小皿1盛(20g) | 0.6g |
野菜の塩漬け | 小皿1盛(20g) | 0.8g |
食品名 | 食品量 | 塩分量 |
---|---|---|
塩こんぶ | 大さじ1杯(15g) | 2.3g |
チーズ | スライス1枚(20g) | 0.6g |
ちくわ | 小1本(120g) | 3.0g |
かまぼこ | 半分(150g) | 2.2g |
ロースハム | 2枚(30g) | 1.0g |
ソーセージ | 4本(50g) | 1.0g |
ウインナー | 2本(30g) | 1.0g |
ベーコン | 1枚(30g) | 0.6g |
食パン | 1枚(50g) | 0.8g |
クロワッサン | 1個(40g) | 0.8g |
そうめん | 2束(100g) | 1.9g |
そうめんのつゆ | 大さじ1杯(16g) | 1.1g |
ポテトチップス | 1袋 | 1.2g |
新生児のために
おっぱいの準備をしましょう
おっぱいの準備は、お母さんになる心がまえです。
生まれてくる赤ちゃんのために、準備をしてあげましょう。
出産後、赤ちゃんにたっぷり母乳を与えるためには、妊娠中から準備をしておく必要があります。特に乳首は大変デリケートな部分です。赤ちゃんがいきなりおっぱいを強い力で吸うと、切れたり傷ついたりして、トラブルをおこすこともあります。
妊娠中期(20週)に入ったら、刺激を与えて皮膚をきたえ、赤ちゃんが吸いやすいようにやわらかくしておくことが大切です。
生まれてくる赤ちゃんのために、このような手入れをすることは、母親になるという心の準備をすることでもあるのです。
おっぱいの準備をしましょう
母乳はなによりもふたりの大事なスキンシップタイムです。
また、授乳にはお母さん・赤ちゃん両方にいいことがいっぱい。ぜひ母乳で赤ちゃんを育てましょう!
- お母さんが赤ちゃんへ母乳を与えるメリット
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- 授乳の際に気持ちを安定させるホルモンが分泌され、気持ちの安定になる
- ホルモンの分泌によって、子宮の回復が早くなる
- 母乳が作られる際には脂肪が燃焼されるので、産後のシェイプアップに有効
- 粉ミルクと違って、泣いたら、いつでもどこでもすぐ飲ませられる
- 乳がんに掛かりにくくなる
- 母体から分泌されるものなので、経済的
- 赤ちゃんがお母さんから母乳をもらうメリット
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- いちばん消化しやすく、赤ちゃんにとって飲みやすい
- お母さんの免疫がもらえるので、病気にかかりにくくなる
- 乳房を吸うことによって、あごの発達や歯ならびがよくなる
- お母さんのにおいをかぎ、声を聞き、鼓動を感じながら目と目を合わせておっぱいを吸うことで、情緒が安定する
おっぱいのお手入れのポイント
母乳はなによりもふたりの大事なスキンシップタイムです。
また、授乳にはお母さん・赤ちゃん両方にいいことがいっぱい。ぜひ母乳で赤ちゃんを育てましょう!
- おっぱいを締めつけない
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おっぱいをつくる乳腺は、妊娠中にどんどん発達していきます。
おっぱいを締めつけるような、ぴったりした下着やブラジャーなどは、乳腺の発達をさまたげる原因になります。妊娠中・赤ちゃんの子育て中は、ゆったりとした下着を選ぶようにしましょう。
ブラジャーをしないだけでも、おっぱいが自然にゆれるため血行が促進されます。
- 乳頭を清潔にし、皮膚を強くする
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おっぱいの出口である乳口がアカなどでつまらないよう、入浴する前にベビーオイルなどで乳頭をマッサージし、そのあと石けんで洗いましょう。
乳頭・乳輪部のマッサージ
- ステップ①
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親指、人さし指、中指で乳頭を中心にゆっくり圧迫していきます。痛くない程度に指の腹で圧迫し、少しずつ位置をずらして、全体にまんべんなくマッサージします。
- ステップ②
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3本の指で乳頭をつまみ、こよりをつくるようにして横方向に まわしながらもみます。乳首をひねったり、ムリをかけないよ うに注意してください。指の腹を使って、少しずつずらしなが らもみほぐしましょう。
- ステップ③
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乳頭をつまんで、たて方向のマッサージを行います。3本の指の 腹を乳首にあて、前後にひっぱるようにしてもみほぐします。少しずつ位置をずらして、全体的にマッサージしていきましょう。
赤ちゃんの診察・検査
赤ちゃんが生まれたあと、次のような診察・検査を行って、生まれてきた赤ちゃんが健康かどうかを診断します。
- 診察
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赤ちゃんは生後1日(24時間診察)と生後3日(退院診察)にお母さんの診察時に一緒に診察をします。赤ちゃんに気になる事があれば診察時にお聞き下さい
- 血液検査(血液ガス検査)
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出産時に臍の緒から採血をします。臍の緒の血液のガス分析をすることによって、お産中赤ちゃんにストレスがあったかどうか、胎児仮死があったかどうかがわかります。安産でも赤ちゃんにストレスがかかっている場合もあります。程度が強い場合には血液のバランスが崩れていることもあり、赤ちゃんに治療が必要となります。採血後直ちに結果のでる機械で、全員にこれを実施し、治療に役立てています。
- 薬
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ミルクと比較して母乳中にはビタミンKが不足しており、これが少ないと何千人に一人の割合ですが赤ちゃんに出血傾向、特に頭蓋内出血の原因になることが知られています。これを予防するために入院中は初回母乳時と退院時の2回ビタミンKのシロップを赤ちゃんに飲んでもらいます。副作用はまずありません。1ヶ月健診の時にもう一度飲んでもらいます。
- おやすみ中の赤ちゃん(SIDSなどの予防)
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非常にまれですが、寝ている赤ちゃんがおっぱいを吐いて喉に詰まらせたり、SIDS(乳幼児突然死症候群)という病気で呼吸が止まることがあります。
SIDSとは、出生1000人に対して0.5人の割合で発生すると言われている、乳幼児が突然、命を落としてしまう病気です。 はっきりとした原因は今のところ不明ですが、睡眠中に起こる、無呼吸状態から覚醒反応までの遅延があると言われています。
現在、このようなケースは、眠っている赤ちゃんの無呼吸を監視する事で、ある程度予防できると考えられています。当院では、入院中の赤ちゃんに無呼吸を監視する”ベビーセンス”という機械を使用し、SIDSの予防につとめています。
- 聴力検査
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赤ちゃんにお母さんの声、楽しい音楽がちゃんと聞こえているのかはとても大切な事です。お母さんの声やいろんな音が聞こえていないと言葉の発達にも大きな影響を与えます。また知能の発達は情報の多さに比例するとも言われています。
今までは簡単に検査する機械がありませんでしたので、2歳を過ぎて言葉が遅いなどの言動により発見されていました。しかし、2歳を過ぎて発見された場合では知能の発達にも大きく影響してきます。当院では最新の機械を導入し、赤ちゃんに簡単かつ安全に検査できるように致しました。この機会にぜひ検査を受けられることをお勧めいたします。
- 黄だんの検査
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通常、赤ちゃんは生後3~5日に生理的な黄だんが出現します。しかし中にはこの値が随分と高い赤ちゃんもいます。この場合には他の病気があることもあり検査が必要ですが、ほとんどのケースは生理的な黄だんです。ただ、あまり黄だんの数値が高い場合には治療が必要な事もあります。治療は光線療法といって赤ちゃんに光をあてることで有害な黄だんの物質を無害なものに分解する治療法です。
入院中の赤ちゃんは毎日ビリルビメーターという簡単な黄だんの検査をします。もしこの検査で高い値が出た場合は赤ちゃんの血液検査をして実際の赤ちゃんの黄だんの数値を調べます。ただ毎日の検査ですので、血液検査をした場合のみお母さんに検査結果をお知らせします。
- 新生児マススクリーニング(ガスリー)検査
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クレチン病、先天性副腎過形成症、先天性代謝異常症(数種類)などの病気を調べる検査です。いずれも希な病気ですが発見が遅れると治療が困難なこともあります。これらを早期に発見することで、病状が出現する前に簡単な治療ですむメリットがあります。ただ、この検査の特徴として、疑陽性(病気ではないのに陽性、つまり病気の疑いがあるという結果)がでる率が高いという問題があります。この問題は、検査の特殊性から現時点では避けられないことで2~3%に出現します。